WEATHERABILITY耐候性試験

耐候性とは

耐候性とは、「材料を野外に放置したときの耐久性」のことをさします。
屋外では風雨、日照、温度、酸素、オゾン、煙、塩害などによる影響を受け、材料・製品などはより速く劣化してしまいます。そのような理由で耐光、耐熱、耐水などに対する材料への影響を総合的に評価する必要が生じ、測定するようになりました。

例えば、プラスチックや塗料などの高分子材料は屋外で使用された場合、変形、変色、劣化などの変質を起こします。
変質を起こす原因としては以下のようなものが挙げられます。

変質の要因

  • 酸素、オゾン- 酸化反応
  • 太陽光からの紫外線
  • 熱(赤外線も含む)
  • 雨水などによる加水分解や浸食作用
  • 昼夜の温度変化による材料の伸縮・膨張
耐候性の評価方法としては以下の試験方法が使用されています。

屋外暴露試験

通常、屋外で最も太陽光の影響を受けやすい南面・傾斜45°にサンプルを設置し、実際の天候の影響を見る方法。

促進機械試験

一般的な屋外条件よりも厳しい条件(強い紫外線、多量のシャワー)を作り出すウェザーメーター等の中にサンプルを入れ、経時的変化を短縮して見ることができる方法。

試験機

  • 「光+温湿度」を制御するフェードメーター(耐光性試験機)
  • 「光+温湿度+水噴霧」を制御するウェザーメーター(耐候性試験機)

光源による分類と特徴

キセノンアーク
耐候(光)性試験機の中では分光分布が最も太陽光に近似
サンシャインカーボンアーク
紫外部の300~350nm付近の分光分布が太陽光と近い
紫外線カーボンアーク
380nm近辺の紫外部に強力なエネルギーを持つ

試験材料は、暴露中に光、熱、水に対し個々の反応を示します。材料が実際に使用される場所により、受ける光、熱、水の量や質は異なります。
使用される環境を正確に把握して、促進試験との比較を進めるということが重要です。

太陽光の波長・分布

耐候性試験において標準の太陽光の分光分布の指標として、CIE(国際照明委員会)Publication # 85 Table 4が使用されています。自然界の昼間の太陽光の分光分布、0.68W/m2@340nmが示されています。
例えば、サンシャインウェザーメータ試験の光源であるサンシャインカーボンアークランプは、紫外線の立ち上がりである300nm~350nm付近までの太陽光と近似した光源として日本産業規格(JIS)では実績が多く、促進耐候性試験の基本ということができます。
注)出典元:スガ試験機株式会社
スガ試験機新宿本社(南面35度)と、フィルタA(紫外拡張)の比較

屋外暴露試験と促進耐候性試験の関係

耐候性を求める場合、屋外暴露試験は結果が出るまで長い時間を要します。
その為、人工光源を用いた促進耐候性試験が行われます。

屋外暴露試験

・劣化状態・メカニズムを解明し、寿命予測の目標値を知るために重要

・開始する時期によって試験結果が異なる場合があり、その時の環境因子を計測することが重要

  • 放射露光量
  • 温度・湿度・結露
  • 降雨水量とその水質
  • 海塩粒子等の浮遊物質
  • オゾン、SO2等腐食性ガス、他

促進耐候性試験

300nm付近の太陽光のエネルギーは、物質の劣化を進める最も大きな要因
⇒ 促進耐候性試験において、このフィルタの選択が相関性に重要な要因となります。

材料が置かれている場所 フィルタの組合せ(インナー/アウター)例
屋外(太陽光が直接) 石英/#275、#275/#275、石英/#295
屋内(ガラス越しの太陽光) 石英/#320、#275/#320、石英/IRCut(赤外カット)/#350/#320

促進耐候性試験

試験材料がどのような場所、温度・湿度・降雨状態に曝されるかにより、試験条件を選択します。

試験条件の決め方

耐候性の中心になるのが太陽光。
促進耐候性試験を行う場合、その光源の分光組成が太陽光とどういう関係にあるか知ることが重要です。

(1)太陽光の放射露光量を知る

日本の太陽光の平均1年間放射露光量を4500MJ/m2(*1)とすると、紫外・可視・赤外の各波長毎(*2)の放射露光量MJ/m2は下表のようになります。

*1)JIS D0205 自動車部品の耐候性試験方法
*2)CIE Publication No.85 1st Edition(TC2-17)

日本の太陽光の年間放射露光量

波長(nm) 構成比(%) 放射露光量(MJ/㎡)
300~400 6.8 306
400~700 44.6 2,007
700~3,000 48.6 2,187
100.0 4,500
(2)放射露光量に応じた試験時間を算出する

放射露光量のみから計算すると、例えばスーパーキセノン180W/m2(300~400nm)で試験した場合、1年間露光量が306MJ/m2(300~400nm)なので、306,000,000÷180=1,700,000秒、1,700,000÷3600 ≒ 472時間となります。つまり472時間が1年間相当の試験時間となります。

促進耐候性試験の放射照度と試験時間

光源 放射照度W/㎡
(300~400nm)
1年間の放射露光量に
対応する時間(h)
サンシャインカーボン 78.5 1,083
キセノン 60.0 1,417
スーパーキセノン 180.0 472
メタリング 530.0 160

この対応時間は、物質の劣化に主として関与する紫外線(300~400nm)の波長域だけを考慮したエネルギーのみによる比較です。 実際には屋外暴露と促進試験の相関時間は、光以外の劣化要因(雨・温度・湿度・結露・ガスなど)の影響や、物質の組成、試験機の光源の分光組成、評価項目、屋外暴露試験結果のばらつき等により、一律に決めることはできません。屋外暴露に対する促進耐候性試験の促進倍率は、しばしば太陽光と促進耐候性試験光源の放射露光量の比較から求められようとされますが、注意が必要です。試験材料の光、熱、水などの影響に対する反応を十分に把握することが重要です。

工業製品と耐候性試験規格の関係

前後評価

◆ 評価項目例

  • 外部変化
  • ・外観の変化(亀裂など)
  • ・色の変化
  • ・光沢
  • 化学的変化
  • ・カルボニル基の量
  • ・分子量
  • 物理的変化
  • ・引張強さ
  • ・切断伸び
  • ・衝撃強さ
  • ・弾性率

◆ 評価方法例

色の変化

・分光測色計
材料の色を測定し、数値化

光沢変化

・光沢計
材料表面の光沢(つや)を測定

化学構造変化(カルボニル基の量)

・赤外分光光度計
材料に赤外線をあて、その吸収波長により化学構造や化学組成を分析